ひびこれ日記

千年前のひとびとの心もよう

先日、建仁寺の塔頭「両足院」で開催されている、清川あさみさんの「千年後の百人一首」原画展を観てきました。この原画は、清川さんが詩人の最果タヒさんと一緒に刊行された「千年後の百人一首」という本で、それぞれの歌に添えられている作品です。最果さんの詩と、そして清川さんの作品とを通して、千年以上前に読まれた歌を味わうことができます。

百人一首は、小さい頃から大好きでほとんどの上の句と下の句は覚えていました。娘たちも同じようにハマり、家で毎晩のように「百人一首大会」をしていましたし、映画「ちはやふる」も娘たちと何回も観ていました。

ただ、「かるた」として百人一首を楽しんでいただけで、その中身まで深く読み解くことは、今までしたことがありませんでした。

今回の原画展、昨今よく目にするような「平面的」で「デジタル」な作品、とは全く異なり、糸やビーズを大胆にあしらった一つ一つの作品から清川さんの情熱や歌の世界観が溢れ出していました。千年前、この句を詠んだ人も、その人が貴族であれ、男性であれ女性であれ、やはり「ひとりの人」であり、時代は違えど、私たちと同じ様な悲しみ、絶望感、せつなさ、を感じていたんだ、と不思議な気持ちになりました。いにしえの人々はどうしようもコントロール出来ないような感情を、自然(風、太陽や月の光、花、川の流れなど)の現象に投影していたことも、作品を通して深く味わうことができました。でもその様な感情は、おおよそ私が予想も出来ないような深いものであったでしょうし、その感情を、まるでその作者本人の心の中に潜入したかのような、清川さんの作品のダイナミズムに、本当に圧倒されたのでした。

両足院に足を踏み入れた途端、目の前のことに追われている「2018年11月」から、「千年タイムトリップ」が始まります。ふわふわした苔の深い緑色に、ざわざわしていた心も、すーっと和らぎ、今度は、清川さんのひとつひとつの作品に思い切り心ゆさぶられる。そんな時間でした。

この日は、展覧会アンバサダー・最果さんの詩の朗読もされた南果歩さんの対談もありました。お二人とも、キラキラ、輝いていらっしゃいました。会場では南さんの朗読音声を聴きながら、百人一首の作品の世界にどっぷり浸かることが出来ます。お二人のキラキラを、少し、おすそ分けして頂いたような、そんな気分で、両足院を後にしました。

展覧会は、2018年12月10日(月)まで。
詳しくは  http://www.asamikiyokawa.com/sennengo/

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