ひびこれ日記

そこに住む人とともに生きている町屋

ドイツのお客様から、「昔の参道を通って清水寺に行きたい」とのリクエストがあり、松原通りを歩いて清水寺に向かうことに。昔ながらの商店や神社がまだ健在のこの通り。散策しながら京都の歴史を感じ取ることができます。

この松原通りに90年ほど前から店を構えるのが「大西常商店」さん。築150年という昔ながらの町屋で、現在もお商売されています。通りに面した店舗スペースには、何人もの熟練した職人さんの技術が結集された、美しい扇子の数々が。約80もの工程を経て心を込めて作られた扇子からは優美な品格を感じます。

この日は、4代目を継がれる若女将の大西里枝さんが、「職住一体型」の町屋を案内してくださいました。店舗の奥の「のれん」をくぐると、そこは昔の台所である「おくどさん」。縦に長く続く通路を進み、一番奥にある蔵までご案内いただくことで「町屋の長さ」を体感。そして住居スペースに上がらせていただき、小川が流れるという趣向あふれるお庭、茶室、旦那の間をいろいろな歴史背景や昔はどのように使われていたか、などお話を交えながらご案内いただきました。

実際にそこで住まい、お商売をされている方からのご説明に、お客様も私も感激。季節の移り変わりを五感で感じられ、大げさに言うと「今、生きていることを実感できる」ような空間。なかなかできない貴重な経験をさせていただきました。

大西常商店さんからは、松原通りをそのまま10分ほど進むと鴨川にかかる「松原橋」に。渡ったところには、花街の一つ、静かな情緒ある宮川町があります。さらに進んで行くと、見えてくるのが「八坂の塔」。昔の人々も、この塔が見えてくると「あと少しで清水さんだ!」と自分を鼓舞しながら歩みを進めたことでしょう。松原通りからの清水さん参詣。オススメです!

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